'04/11/21 高山本線不通区間レポート


高山本線 飛騨古川〜猪谷間は、10月の台風23号による被害を受け、現在も不通が続いています。
(実際に被害があるのは飛騨細江〜猪谷ですが、運転取扱いの関係で飛騨古川〜猪谷が不通とされています。)
打保駅に取り残されているというキハ48がどうしても気になっていたので、台風の被害から1ヵ月ということもあり11/21、思い切って車を走らせてみました。

11/18に復旧した、高山〜上枝間の川上川橋梁の様子を見た後、飛騨細江の先のR41との分岐点から高山線沿いに走るR471へ入り、角川でR360を北へ進みます。
(周辺の地図はこちら

途中、角川まで何度か川とクロスする鉄橋については、パッと見では被害が見られず安堵していましたが、その先の坂上ダム下流の鉄橋1本目(第9宮川橋りょう)が全壊、2本目(第10宮川橋りょう)は橋台の土が流されて線路は宙吊りという状況。


池ノ尾トンネル東側出口の鉄橋(角川駅の北東・第9宮川橋りょう)。橋脚ごと完全に流されている。

坂上駅に立ち寄ってみました。
ここに車両は止まっていません。
通信ケーブル切断のためか信号機は点いておらず、レールも錆びた状態。

駅入口に運休を知らせるような貼り紙もなく、待合所に掲げられた「高山本線全通70周年」を知らせるポスターがなんとも寂しい・・・。


坂上駅構内 信号機類は消灯

運転休止を知らせる張り紙は一切無し。
坂上駅の先からはR360の被害もひどくなり通行止め。
迂回路に指定されている“ニコイ林道”という、急坂で、途中どろどろ&穴だらけの狭い道を走ること約40分、最後の峠の頂上から打保の集落と線路が見えたときは正直ホッとしました。(^^;;
山道を降り、打保駅の方角へ曲がったところ、遠巻きにキハ48の顔が見えたときは嬉しかったです。(^^)

打保駅構内を高山方から

2番線にキハ48 5803+キハ48 6810が抑止。

駅前に積まれた橋梁用枕木。近々に交換予定があったのだろうか?

待合室の中。こちらにも運転休止の張り紙は無い。

このキハ48は抑止時刻もろもろを考えると、10/20の1832Dで到着後そのまま運転打ち切りになったと思われます。
おでこの幕は「回送」表示になっていました。

打保駅前後の路盤は、不通区間内では最も被害が大きい場所と思われます。
坂上方の川沿いに走るところはバラストがすべて流失&線路はぐにゃぐにゃに曲がり、杉原方は路盤が国道とともに完全に失われている区間が数百メートルあります。
前にも後ろにも進めず、打保のキハ48は当分放置される状態が続くでしょう。。。


打保駅から高山方に向かうと、川沿いの線路はぐにゃぐにゃ・・・

線路の下の砂利はすべて流され、宙吊りになっている。

猪谷方は路盤が完全に流失・・・

線路はまるで模型のように曲がってしまっている

杉原トンネル北口の様子
打保〜杉原間にある杉原トンネルは、孤立状態の住民のために、線路上にコンパネを敷き、歩道として活用されています。

打保から杉原までは狭い市道を迂回、杉原トンネル北口のそばからR360に戻り、なんとか富山県側へ抜けられました。
(市道は現在、地元の方と工事関係者しか通れない模様です。)

杉原〜猪谷間については、R360の旧道が完全に崩落しており、新道のトンネルしか通行できないため、チェックはできませんでした。m(__)m


猪谷に到着する850D(キハ120 347)

高山〜上枝の復旧区間(川上川橋梁)を行く1029D
地元の新聞によれば、この不通区間の復旧費用は約100億円と見積もられたそうです。
冬季に積雪が多いところでもあり、早急な復旧を望みたいものです。

このページ内の写真はすべて '04/11/21 筆者撮影

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